ゴー宣DOJO

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高森明勅
2019.11.26 06:00皇統問題

誰が女性天皇の配偶者を「非難」するのか?

産経新聞の記者が、各種の世論調査で女性天皇を認める国民が
圧倒的に多い事実に苛立って、次のように書いている。

「仮に(将来の女性天皇たるべき方の)配偶者候補が現れたとしても、
その男性が皇室伝統の破壊者だと非難を浴びることは想像に難くない」と
(阿比留瑠比氏)。

これは驚くべき発言ではあるまいか。

仮定として「配偶者候補」に言及している以上、
世論の支持を背景とした国会の合意を踏まえ、少しでも皇位の安定継承に
資する為に、女性天皇を認める皇室典範の改正が既になされている事が、
前提のはずだ。

更に、その「候補者」という方は、我々の想像を絶する困難を乗り越えて、
敢えて女性天皇の配偶者たる人生を選ぼうとして下さっている、
と考えなければならない。
それは、お相手である女性天皇のお為であるばかりでなく、皇室の存続、
国民の統合、国家の安寧の為に他ならない。
だから国民たる者、その方の崇高なご覚悟に対して、どれだけ感謝しても
足りないはずだ。

しかも、他でもない、将来の女性天皇たるべき方ご自身が選ばれたお相手だ。
にも拘らず、勝手に「伝統の破壊者」というレッテルを貼って「非難を浴び」
せるよう、煽(あお)るような物言いをするとは。
このような新聞記者がいる事に呆れる。
むしろ非難を浴びるべきなのは、こうした暴論を臆面もなく
書き散らす側だろう。

勿論、このような「非難」への煽動にそのまま同調するのは、
ごく一握りの人々に限られる。
しかし、それを拒絶する圧倒的多数の国民が“沈黙”を続けると、どうなるか。
少数派の“声”だけ(!)が拡大的に喧伝(けんでん)される結果になる。
サイレント・マジョリティーは自覚的・積極的に声を挙げる
ボーカル・マジョリティーに変身しなければならない。

ゴー宣道場はその触媒であるべきだろう。
令和元年最後の道場は「皇位の安定継承」がテーマ。
上皇陛下の「ご譲位」を可能にする為に尽力された山尾志桜里衆院議員を
ゲストに招き、初めて名古屋で開催される。
締め切りは目の前に迫った11月27日。
上記のような暴論を包囲し、孤立させる為に(正確には、既に孤立している
事実を“目に見える”ようにする為に)、幅広い参加を呼び掛ける。

なお昨日のブログで橋下徹氏のお名前を橋本徹と誤記していた。
訂正し、橋下氏に非礼をお詫びする。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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